銭湯の黄色い桶に書いている「ケロリン」とは一体何なのか |BEST TiMES(ベストタイムズ)

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銭湯の黄色い桶に書いている「ケロリン」とは一体何なのか

銭湯と公衆浴場に関する豆知識

ケロリン桶が生まれたきっかけ

 こうした医薬品がなぜ銭湯のシンボルマークとなったのかといえば、桶を広告媒体として活用したことが大きい。東京オリンピックが開催されようとしていたころ、銭湯では木桶からプラスチック製に切り替えようとしていた。このタイミングでケロリン桶を全国へと拡散し、知名度を急速に高めることとなった。それ以前から、内外薬品ではさまざまな広告戦略を展開しており、ボクシングや野球など、当時の人気スポーツの大会では垂幕を出していたという。

 昭和30年代にはCMソングも登場。作詞は『ちいさい秋みつけた』、『リンゴの唄』などの作者であるサトウ ハチロー、作曲は国民栄誉賞を授与され、『東京ブギウギ』をはじめとする名曲を作り、歌謡史に名を残した服部良一が手掛けている。

 昭和の時代にはおなじみの存在だったケロリン桶だが、銭湯の数が減った現代ではお目にかかる機会が少なくなっているように感じるのではないだろうか。しかし、銭湯だけでなく、温泉やゴルフ場などにも置かれているし、桶そのものが一般にも販売されている。人気アニメ『ケロロ軍曹』とのコラボレーションや、湯桶ストラップなどの関連アイテムも展開中。いまもなお、多くの人に愛されているようだ。

 今回取り上げたケロリン桶については、雑誌『一個人』2月号「お風呂の教科書。」特集でも雑学を紹介している。

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